STORY
STORY3 作り手の思い~ふらの野菜のビーフシチュー
2022年 12月 12日
「旨みの相乗効果」ーーーーー
異なる旨み成分を組み合わせて使うことで、感じる旨みが数倍になるという化学的データがあります。料理の世界も日々進化しています。野菜や海藻に多く含まれるグルタミン酸と魚や肉に多く含まれるイノシン酸が代表的です。みそ汁(みそは大豆からできておりグルタミン酸が豊富)に、だし(昆布だしなどは海藻であり魚系の食べ物でイノシン酸が豊富)を入れたり、そばつゆにかつおだしを入れたり、肉と野菜を煮込むフランスの家庭料理のポトフなどは「旨みの相乗効果」の理論にかなった代表的な料理です。
しかしながら、一般的なビーフシチューの多くはこの理論が十分に活用されていないものが多く存在しています。(野菜のエキスのみで、実際に野菜を牛肉と一緒に煮込んでいないものが多い)
富良野はその気候の寒暖差から美味しい野菜が採れ、北海道地方は牛や豚など家畜も快適に過ごせる冷涼な気候であるため、美味しい牛肉の産地でもあります。これらの食材の美味しさを最大限に活かして、化学的データに基づいた旨みの相乗効果の理論を活用し、他にはないもっと美味しいビーフシチューが作れるのではないかというのが、今回の開発の出発点です。
ソースのベースになるデミグラスソースの開発は何度も試行錯誤を重ねました。1種類のソースでは納得のいく味にならなかった為、タイプの違う複数種類のブレンドを試し結局、3種類の異なるテイストのデミグラスソースを合わせて使用することで解決しました。その他の調味料では、北海道バターや仕上げにふらの産赤ワインを使用し、コクと酸味にもこだわりました。特に酸味は非常に繊細であり、ワインの量はもちろんアルコールを飛ばす量やワインを入れてからの煮込み時間など何度もテストしました。
さらに、野菜選びもこだわり、じゃがいもはふらの産の希少種「インカのめざめ」、玉ねぎは契約農家である鎌田さんから直接頂く、あえて玉ねぎが小さい時に収穫するふらの産玉ねぎ(煮込んだ時の旨みの凝縮さに違いが出ます)、北海道産の人参、コーンも使用しております。野菜の産地や種類が変わると全体のソースの味も微妙に変化します。特にふらの産の玉ねぎは自然な甘みと旨みでデミグラスソースを各段に美味しくしてくれます。また、インカのめざめの品種のじゃがいもは初めて食べた時に誰でもほぼ例外なく「感動的に美味しい」と思えるレベルの素材です。
牛肉もビーフシチューに適したビーフは何かを何度も試作しました。脂部分と肉部分のバランスや肉と脂自体の味、煮込んだ時の肉の食感を追求し煮込み時の最適な温度を熟考致しました。
開発に1年以上費やし、ようやく「旨みの相乗効果」の理論に沿い、素材もひとつ一つこだわった、他では真似できないビーフシチューが完成したと自負しております。
自信の一品です。今後ももっと美味しい富良野食材使用の料理を皆様に知って食べて頂けるように精一杯の努力を継続してまいります!